キユーソー流通システムでどのようなキャリアを築くことができ、どのように成長することができるのか。
活躍する3人のキャリアを通じて、当社での描けるキャリアモデルを紹介します。
村尾 真吾 SHINGO MURAO
経営推進本部 財務部私のキャリアは愛知県の春日井営業所からスタートしました。新人の頃は何とか認めてもらおうと荷物の積込を手伝ったり、営業所の仲間とは仕事を超えて交流を深めたりと試行錯誤したことを覚えています。5年目には営業所長を任され、営業所全体のマネジメントを担う立場になりました。春日井営業所ではさまざまな業務を経験し、流通ビジネスの基礎を身につけることができました。なかでも痛感したのは「一人では何もできない」という厳然たる事実です。物流業はチームプレー。営業業務・外勤営業・システム開発はもちろん荷役や運送といった現場の人々の協力なくしては機能しません。以来、私は人間関係の構築を基本にして仕事を進めています。その後竹原営業所、西条営業所の所長を経て、中国にある上海キユーソー倉庫運輸有限公司に出向しましたが、海外でもそのスタイルは変わっていません。文化も言葉も異なるなかで私たちがめざす「日本品質」を理解してもらうため、現地スタッフとも日々話し合い、コミュニケーションを深めました。
13年目からは本社の業務品質部、営業部、東日本支社営業部と、広い視野で事業を考える部署を歴任しました。そして19年目には財務部に配属となり現在に至ります。いまでこそ「資金管理も家計簿管理と同じ」などと、自信を持って言えますが、最初は会計用語の意味すら分からずベテランの部下に教えられながら一から財務、経理を学びました。現在は人でなく数字が相手ですが、現場を知っているからこそ売上や削減経費の数字の裏にどれだけの努力や苦労、汗や喜びがあったかが私にはわかります。KRSだけでなく、KRSグループ全体の資産を管理する立場として全体の利益をはかりつつ、個々の思いにも目を配る財務でありたいと思っています。これまで多くの部署を経験させていただきましたが、今後は現場の息遣いと組織全体の流れを両方知る者として、これまでの知見を活かせるキャリアを歩みたいと考えています。
梶野 紗代 SAYO KAJINO
西日本支社 伊丹第三営業所私は地域職として入社以来、大阪エリアの伊丹第三営業所に14年間勤務しています。主な仕事内容は担当するお客さまの窓口業務。午前中は、配送中の車両状況を確認すると同時に、お客さまからの商品をお預かりし、倉庫に保管する業務を行います。午後からは、出荷の依頼を受けて荷役・運送担当と連動し、翌日の配送準備を行います。また、全体の作業が問題なく行われているか現場の確認を行います。こうした一連の基本業務は入社以来変わりませんが、年次を重ねるにつれて新たな業務を任されるようになります。入社5年目にはKRSの他営業所からのお客さまの移管を担当し、引継ぎに関する諸問題に対応しました。お客さまにとって窓口が変わってもこれまで通りスムーズに業務が進められるよう、突発的な事態にも対応できるよう前担当者と連絡を取りながら体制を整えていきました。現在は新規のお客さまの立上げに関わり、システムの連携や、荷役作業や配送作業のフローづくりを社内の各部署と連動しながら進めています。
忘れられないのは入社3年目のことです。お客さまからの発送依頼を間違えて入力し、退社後に関係部門からの問い合わせでミスがわかりました。このときは先輩や上司、荷役・運送のいろんな方にご協力いただき、お客さまには迷惑をかけずにすみましたが、ひとつのミスが多くの人々に影響すること、仕事は一人でできないことを痛感しました。また、10年目には係長を任ぜられ、自分の業務だけでなく、営業所全体の業務効率や環境改善を考えるようになりました。そのひとつが業務の“見える化”です。地域職は異動が少なく、その分エリアのお客さまと長く、深く接します。それは地域職のおもしろさでもありますが、担当者ひとりにノウハウが蓄積され偏りが発生してしまうことになります。そこでそのノウハウをマニュアル化し、誰もがお客さまのご要望に対応できる体制を整えています。これからもエリアに根差した地域職として、自分にできることは何か、自分だからできることは何かを考え、形にしていきたいと思っています。
川口 貴 TAKASHI KAWAGUCHI
開発本部 システム開発部システム開発部の業務は大きく二つあります。ひとつは新規お客さまの発注システムと当社の基幹システムの連携です。お客さまと荷役・運送機能双方の要望や要件を満たすようシステム仕様の調整を行い、作成・稼働フォローまでを実施します。そしてもうひとつが各種社内システムの構築。開発部メンバーはどちらも担当しますが、私は社内システムの開発プロジェクトに多く参加してきました。ひとつの転機となったのが7年目に担当した収支管理システムの構築です。これは倉庫・運送部門・荷主さま別の収支など各種データを確認し、迅速な次の一手を打つための仕組みです。しかし、経営層や部門責任者、担当者など、立場と職務によって欲する情報の粒度や角度がまったく異なり、システム設計にとても苦労しました。多くの部門、人々が利用するシステムでは、部分最適ではなく全体最適をめざさなくてはならない。以来それを開発ポリシーとするようになりました。
10年目には散在していた運送にかかわるシステムをまとめたKRS-Transportchain Management
Systemの構築に取り組みました。システムに合わせて運送機能での運用を変えていただくことには抵抗もあり、さまざまな部門との折衝を重ねながら2年をかけて完成させたこのシステムには、私が最善だと思う“想い”をすべて盛り込みました。ひとまずの集大成として、現在の自分にとっての確かな柱となっています。そして現在取り組んでいるのが約40年にわたって事業を支えてきた基幹システムの刷新プロジェクトです。メインフレームにまとめられた業務支援、運送、倉庫、請求などのシステムを分割し、ひとつずつ改修を進めています。とても大がかりで大規模なプロジェクトであり2030年の完成をめざしています。
システム部門への配属は予想もしていませんでしたが、20年間システム開発に携わり、いまなおそのおもしろさに惹かれ続けています。システムはあらゆる業務に不可欠なものであり、その開発には企業全体を俯瞰する視座が求められます。流通業が直面する高齢化や人材不足という大きな課題の解決にもシステムが寄与できるものと信じております。今後もシステム部門のスペシャリストとして、大きな課題にチャレンジしていきたいと考えています。